公開: 2023年6月30日
更新: 2023年6月30日
2023年上半期、円の対ドル為替レートは、1ドル130円台を中心に推移していました。6月に入って、米国中央銀行のFRB議長が、米国における民間の物価上昇が落ち着きつつあったものの、4パーセント程度で推移していました。これは、米国における物価上昇圧力が減退していないことを意味しています。
FRB議長は、この物価上昇が、当分の間、継続すると考えたようです。この物価上昇は、明らかに米国市場におけるインフレーションを加速させるので、長期金利を上げて、鎮静化する必要があります。似たような状況は、ヨーロッパ圏内の諸国においても、観測されていました。
以上のような観測から、ヨーロッパ各国の中央銀行総裁も、金利引き上げが必要であるとの考えで一致していました。これは、FRB議長も同じでした。これに対して、日本銀行の植田新総裁は、日本国内では、2パーセントの物価目標を達成することはできないとの理由で、ゼロ金利政策を継続する方針に変わりのないことを述べていました。
国際金融市場では、この日本と米国、さらにヨーロッパとの金利差から、円安になるとの観測が流れていました。6月20日ごろから、金融市場では、円売りドル買い、ユーロ買いの動きが出てきました。6月30日には、1ドル145円にまで、円安が進みました。ユーロは、157円前後まで進んでいました。